10年ビジョン


創立60周年に向けての運動指針

「若い世代がつくり、まもり、そだてる」

 

現在の日本は、大きな転換期を迎えており、多くの分野で新しい社会構造の確立が必要とされています。例えば、情報通信技術の発達、LCC等の普及による交通手段の進歩は、地域経済に対して否応なく変化を求めています。教育分野においては、確固とした教育システムが確立されておらず、また今後発生することが予想される大震災等の自然災害への対策も確立されているとはいえないのが現状です。

それは、我がまち豊中においても例外ではありません。時代が混迷し、幾多の困難が目の前にたちはだかっても逃げることなく、希望にみちあふれた日本、そして地域を創造するという崇高な理想を掲げ、市民を導いてきたのは若い世代です。時代の転機である現在の日

本において、地域の将来を担う子供達のために、何を捨て、何を残すのか。その決断は、今を生きる若い世代が下さなければなりません。

豊中JCは、次の節目である創立60周年までの運動指針として、「若い世代がつくり、まもり、そだてる」を掲げ、運動を展開してまいります。我々が重要だと考える分野について運動を展開し、若い世代がそれらの分野について主権者意識を持ち、我々と若い世代が一丸となり大きな流れで「明るい豊かな社会」の実現をめざします。

多様性を受け入れ地域の魅力を発信できる国際都市「とよなか」

 

近年、インターネットを利用した通信技術の発達、飛行機等の交通インフラの整備に伴い、遠方であってもコミュニケーションを取ることが容易になっており、今後、我が国においても国際交流の機会は増大すると予想されます。その影響からか、我が国への訪日外国人数は年々増加し、日本の観光収入は高い伸び率で推移しています。日本政府も、国を挙げて観光立国をめざし、経済的発展を指向しています。豊中市には、大阪国際空港があり、鉄道、道路等の交通インフラが整っている交通至便の地です。我々は、豊中市の立地の優位性を活用し、潜在的なコンテンツを掘り起こし、地域経済の起爆剤としてインバウンド消費を取り込む必要があります。今以上にグローバル化が進む世界を見据え、豊中の地から世界で活躍できる人材、そして海外からの訪日外国人に対応できる人材を育てることも肝要です。若い世代が中心となって、地域全体で、日本人としてのアイデンティティーを持ちながら、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識を持ったグローバル人材を育成することが重要であると考えます。

豊中JCは、異文化を受け入れる環境の整備を積極的に進めるとともに、地域の未来を担う次世代へのグローバル人材育成はもちろん、子育て世代に対しても、地域のアイデンティティーの確立、地域の魅力の再認識を目的とした運動を展開し、世界で活躍する人材にあふれ、人種や異文化といった、多様性を受け入れ地域の魅力を発信できる国際都市「とよなか」をめざします。

地域の力でまもる防災都市「とよなか」

 

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震といった大震災。異常気象による記録的な大雨や竜巻。近年、日本列島に甚大な被害をもたらした自然災害の教訓により、インフラ整備がされてきましたが、市民の防災意識はすべてに行き届いているとはいえません。

近い将来、南海トラフ地震や大阪府下直下型大地震が起こると予想されています。豊中市は上町断層帯の上に位置し、さらなる被害も予想されます。また、近年の異常気象による自然災害が発生する危険性は無視できません。

このような状況を踏まえたとき、これからを担う地域の若い世代は、地域社会の中心となり、日常的に地域の人々の防災意識を高める運動を率先して行っていく必要があります。また、ひとたび自然災害が発災した場合には、地域の若い世代が、主導的立場に立って行政と連携し、被災者の救助、避難誘導、物資の確保、二次災害を未然に防止する活動等をリードしていく必要があります。

我々は、地域の若い世代に対して、自分のまちは自分でまもる意識を喚起し、一人でも多くの地域の主導者を育成し、さらには、防災意識の共有を基礎とする、若い世代を中心とした各種ネットワークを強固にする運動を展開し、地域の力でまもる防災都市「とよなか」をめざします。

 

 

 

希望あふれる教育都市「とよなか」

 

我が国は、高度経済成長期を経て、国民の多くが衣食住において物質的な豊かさを享受できるようになりました。また、世界における日本の教育水準は高いと言えます。本来の教育の目的とは、「集団生活や社会の中で生きていく為に必要な事柄」を教える事であります。学問についての教育も必要ですが、将来に希望をもって生きていくための教育も必要なのではないでしょうか。統計上においては残念なことに、自らの将来に明るい希望を持てない若い世代の比率は諸外国と比較して非常に大きく、また、自己を肯定的にとらえる比率は低くなっている、という結果が見られるのが現状です。その原因は、家族間コミュニケーションの欠如、教育システムの問題など様々な要因が考えられ、それらが複雑に絡み合っており、容易に紐解くことは難しく、大きな社会問題とされています。

これらの問題を解決するために、一人ひとりが希望ある社会の必要性を認識し、将来に対して希望のもてる若者を育てていくことが重要であると考えます。そして、我われが率先してその必要性を発信することで、希望あふれる教育都市「とよなか」をめざします。

音楽とスポーツが溢れ豊かな心と体をそだてる都市「とよなか」

 

地域の未来を担うのは若い世代です。そして、そのような人材を育てる為には、少年期における心身の健全な発達が不可欠です。しかし、近年、ゲーム等の室内での遊びが主流となり、屋外で体を動かす時間が減少しているといわれており、身体的能力の低下が懸念されます。また、他人と交わる時間が減少するという点で、コミュニケーション能力の低下にも繋がります。

豊中市は、高校野球、高校サッカー、高校ラグビー発祥の地とされ、歴史的に見てもスポーツ文化が旺盛な地域性を有しています。スポーツは、青少年を身体的に発達させるのみならず、他人との関わり合い方や仲間と切磋琢磨することで精神面の発達も促します。また豊中市には、政策として「音楽あふれるまち・とよなか」のスローガンのもとに様々な運動を展開しており、音楽にまつわる豊富なコンテンツと取組みがあります。音楽は、人間の感性を刺激し、自主性や創造性といった豊かな心を育み、自分の個性を自由に表現する力を養います。これらの地域の強みを融合させることができれば、これまでにない魅力的な青少年育成の場を創造することが可能です。

豊中JCは、行政や地域と連携し、豊中の強みである音楽とスポーツに関わる機会を新たな視点で創造することにより、音楽とスポーツが溢れ豊かな心と体をそだてる都市「とよなか」をめざします。